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イラストレーター 左、
raytrektab 8インチに出会う

イラストレーター | 左(ひだり)さん

  • #イラストレーション

イラストレーター 左、raytrektab 8インチに出会う

自己紹介をお願いいたします

フリーイラストレーターの左(ひだり)と申します。イラストレーターをさせて頂いてもう20年になるんですけども、初期のころはライトノベルの挿絵をはじめトレーディングカードゲームのイラストやMMO、ネットゲームのキャラクターデザインを経て、最近ですとアニメのキャラクターデザインやコンシューマー家庭用ゲーム機のキャラクターデザイン等をさせて頂いております。

raytrektab 8インチを触ってみて、いかがですか?

街中にアイディアがあった時、今まではスマホのメモ機能で文章でどうにか書き留めていました。どうしてもこれは重要だなと思ったものは、家に帰ってからその文章を見て思い出しながら書き留めることもあったのですが、 raytrektab 8インチのこのくらいのサイズ感だと、その場である程度書くのには丁度いいし、耐えれる大きさですね。ちょっとしたイメージの描き留めにも丁度いい大きさです。どこでも簡単にスケッチを取れますね。

基本的に、自分の絵はスマホに入っていなくて、ポートフォリオとして使うことはないのですが、raytrektab 8インチはイラストを描く専用としても使えたり、描いたものを入れて資料として使ったりなど、いろいろな使い方ができそうですね。持ち運べることがアドバンテージといいますか、モノを描き留める、そして出す、インプットでもアウトプットでも両方でとてもいいのではないかなと感じました。

今まで私はスマホと据え置き型の液晶タブレットを使っていますが、raytrektab 8インチはその中間という意味で両方にはできない部分を補う非常にいい品物だと思います。

raytrektab 8インチを使って実際にやりたいことは、イラストのラフを描く時にベッドの上で描きたいなというのはありますね。スマホだとペンもなくラフも描けないので、まず一番最初に素直に思うのはそこですね。

自然な流れ~肌にあっていたイラストレーター業

イラストレーターになられたきっかけを教えて下さい

小さな頃は、今の皆さんが思うようなイラストレーターとは少し立ち位置が違ったのもあって、漫画家になりたいと思っていたんですね。そこから模写をしたり漫画を描いたりはしていたんですけど、CGを知って、絵をネット上に公表するようになって、そこからはじめて声をかけて頂きお仕事を頂けるようになったのはイラストのお仕事だったので、結果的にイラストレーター業をすることになりました。

イラストのどのような部分に惹かれたのでしょうか?

やはり漫画と違うのは1枚ですべてを見せなければならない、その画面に色んなものを詰め込む、密度を高くしていくということなので、マルチタスクではない私からすると、二つ三つのことをいっぺんに考えたりが凄く苦手だったので、一つのものをコツコツと詰め込んでいく部分が肌にあったのかなと思います。

プロとしてやられていて、プロに必要な素質とはどういうものだと思いますか?

しいて言うなら、自分がこうしたい、こんなのが凄いというのを突き詰めていくことと、お客さんや見る人、もしくはクライアントさんが「こうして欲しい」という要望を聞き取ったりとか、人に合わせる部分と自分を出す部分のバランスというか調節、見極めが出来ることが結構重要だったりするのかなと。

プロとしての見極めとこだわる「ツヤ」

イラストにおいて、ストーリー性とキャラクター性、どちらにより惹かれますか?

自分の描きたいものだったり、他人の絵を見てすごいなと思うのは、やはり物語を感じる、1枚の絵にも関わらず物語の前後を感じるようなワンシーンのものに惹かれるので、一枚に詰め込むと言っておきながらも、キャラクターのみの可愛さとか造形というよりは物語性を感じるイラストの方が結果的に好きです。

ある程度バックグラウンド的なストーリーを考えてからキャラクターを起こすような感じでしょうか?

実際にお仕事をする時は、キャラクターデザインの仕事や、「こういったイラストを描いてくれ」ということなので求められることが違うので。
一枚好きに絵を描いてくれという事であったら、キャラクターありきのイラストというよりは何等かのストーリー性と言いますか前後を感じられるような、そういったものがまずあってからキャラクターという順序になることが個人的には多いです。

一枚に込めるイラストの大変さというのがあると思うのですが、打破する方法は?

そうですね、どうしても時間の経過などは見せられないので、あまり全部を欲張りきらないで、やはり最終的には見栄えのする、いい絵だなと見てくれる人が思う形が一番いいとは思うので。「かっこいい」という部分に力を割り振って見せたい部分が結果的に少なくなるのはしょうがないのかなと思っているので、しいて言うなら取捨選択でしょうか。

ちょと話はずれますがこだわって持っているものは?

やはり今は人物を描くお仕事が多いので、人物で言うと、「ツヤ」というとちょっと漠然とした言い方にはなるのですが、モノを持ったりポーズをとったりする時に、「こうだろう」と記号的にならずに自然になるように。頑張ってそれをデフォルメされてるキャラクターの上に乗せることで生々しさとか存在感みたいなものに繋がっていくんじゃないかなと思うので、そういった部分を大切にしてます。

デジタルは便利さの取捨選択、環境は楽しみながら試行錯誤

デジタルで絵を描かれていますが、可能になった事の幅は広がりましたか?

今ではアナログで描くシーンというのは凄く少なくなっていまして、サイン色紙くらいなのですが、やはりアンドゥなしでは不便ですしほぼ描けないですね。それ以外にも、サイン色紙に、もう少し大きく描いたほうがぴったりだったな、もう少し小さく描けば頭の上が切れなかったなという時などは、デジタルだと描いた後に大きさをぴったりに拡大縮小できるので。正直、ちょうどいい紙の大きさにちょうどいい大きさのキャラクターを描く能力は衰えていっていますし、拡大縮小の機能を使おうと思った時点でその能力は衰えてもOKだと思って一応取捨選択して機能を使っています。ですので、どういった面に関してもデジタルは便利だなと痛感しています。

使われているツールはどういったものですか?

具体的にはフォトショップとクリップスタジオペイント、最近ではペイントストームというのを使っています。もとは海外のソフトで、アナログなタッチの油彩とか鉛筆の感じとかがフォトショップやクリスタよりも優れているので、アナログタッチの物が描いてみたい、厚みのある感じで作品を表現したいと思った時に、新しいものをどんどん導入していかないければと思い今勉強をしている最中です。

例えば映像だったらフィルム自体がデジタルなので、アナログの追及をデジタルでするというのがあるんですけど、イラストも同様でしょうか?

人によって、そういう事を目指す人と目指さない人がいると思うんですけど、私は出したいなと思っていまして。筆を動かした流れ、毛羽立ちがキャラクターの髪の毛とマッチしてたりするとグッとくるので、自分はそんな味が出せたらなと思いつつ、本来はアナログであれば意図して出そうとせずに出る部分でもCGでは意図して紙の質感を出したり筆の毛羽立ちを出したりしないと出ないので、そこは意図してアナログタッチになるように試行錯誤しております。

そのような場合、ハードウェアとソフトウェアのバランスはいかがでしょうか?

アナログっぽく出してくれるかどうかはソフトの部分のウエイトが大きいとは思うのですが、その一筆の中にテクスチャがあったりすると、ハードの部分ではのっぺりした塗より結果的にマシンパワーが必要になってくる時が多いと思うので、やはりスペックが高いに越したことはないなと思っています。

スペック以外にハードウェアに求めるものはありますか?

そうですね、もしかしたらアナログで長年やられていた方は、ペンタブレットもしくは液晶タブレットを使う時に画面に滑らす摩擦の感じや、もしくはペンの太さや触り心地という部分がちょっと重要だったりとか、ハードの部分が重要な方はいらっしゃるのかもしれませんけども、私は結局使っていたら慣れてきてしまって、画面つるつるでカッツカッツの固い方が心地よくなってきてしまったので、アナログタッチを出すことに直接的にスペック以外でハードに要求していることはそんなにはないです。しいて言うなら、これはソフトの部分にはなりますけど、やはりショートカットは快適だといいので、そういった入力デバイスの部分にはストレスがないものがあるといいなと思っています。

入力デバイスの置き方にはこだわりがあるとお聞きしましたが、そのこだわりはいつくらいからでしょうか?

明確にここから思ったというよりは日々の積み重ねの中で少しずつ少しずつ改善して、場所やペンのグリップ一つでも試行錯誤してたどり着いたというような感じです。

reytrekのカスタマイズはレイアウトも含めて環境として期待できそうですか?

そうですね、まず純粋にカスタマイズをすることだけでも楽しいと思いますし、今まで私が自分でやってきた経験からすると、まず最初にこれでいいなと思って使ってみても、その度その度にどんどん変えていくんですね。最初の一か月は慣れなかったりしてスムーズに作業を進められないんですけど、その果てに一か月かけていい環境を作って慣れて、というのが合致したときにはすごく気持ち良く、その作業自体を私は楽しめるので、そういった意味では色々カスタマイズできるというのは純粋に期待しております。

もし世の中からデジタルがなくなってしまったら左さんはイラストレーターを続けますか?

頑張りますけど難しいと思いますね。
先程も言ったように機能を使おうと思ったりテクスチャを取り入れようと思った時には、それを描く能力というのは養われなかったり自分の中から衰えていくとは思うんですね、全身を原稿用紙にピッタリ入れるという能力は拡大縮小で毎度合わせていれば気を使うことはないので。ですので、もし無くなったとしたら、あること前提で捨ててきたものがない状態でイラストレーターをやっていかなきゃいけないので大変かなとは思いますが、今後もCGが無くならないことを前提に取捨選択していくと思います。

最後に、今後目指したい作風やこういうイラストを実現したいなどがあれば教えてください

如何に生々しさというものをPOPな絵柄の物にギリギリ混ぜていけるか、そういったところを大事にしている作風だと自分では自負していたので、今後もそれをより良いものにしていきたいなと感じています。あとは、今までは請負の仕事が多くて、「こういったキャラクターを描いてください」とキャラクターや絵を提供するのがメインだったのですが、またちょっと自分で「俺どんなものが描きたいんだろう?」とか、好きなように好き勝手に描いたら言われて描いてきたものとどういった違うものが描けるのかな?と、自分発信の何等かをやっていけたらなと思っています。

機材詳細

モデル:raytrektab RT08WT

OS:Windows 10 Pro 64ビット

CPU:Intel(R) Celeron(TM) プロセッサー N4000

メモリ:8GB DDR4

グラフィックス:インテル UHDグラフィックス600

ストレージ:128GB eMMC

代表的な構成の一例です。当ページの掲載内容は、在庫等の都合により予告なく変更、または終了となる場合があります。

左(ひだり)さんPROFILE

イラストレーター

実績

  • 『荒野のコトブキ飛行隊』メインキャラクター原案
  • 『シャリーのアトリエ 〜黄昏の海の錬金術師〜』
  • 『Fate/Grand Order』一部キャラクターデザイン
  • 『討鬼伝』キャラクターデザイン