フォトグラファー / イラストレーター山咲めぐみさんが、raytrektabで描く世界

フォトグラファー / イラストレーター | 山咲めぐみさん

  • イラスト
  • 写真

PROFILE

フォトグラファー / イラストレーター

山咲めぐみさん

妖精の歌を撮るフォトグラファー/イラストレーター
 
主な受賞歴に
「第4回わぉ! な生きものフォトコンテスト」わこちゃん・おっくん賞
「第36回『日本の自然』写真コンテスト」山梨県一賞
「第17回『美しい日本を撮ろう』フォトコンテスト」BSフジ賞
「第5回絵本出版賞 絵本部門」優秀賞、
「第3回写真出版賞 アート部門」最優秀賞

■出版
 ・童謡絵本「いきものとしぜんとうたのほん」 カワイ出版
 ・「ふたりのひとりたび」 みらいパブリッシング

公式WEBサイト
https://www.megumiworld.com
YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCOgt7MquHu6TemNxmByDcEQ
Facebook
https://www.facebook.com/megumiworld1
Twitter
https://twitter.com/megumisworld1
Instagram
https://www.instagram.com/megumiworld1/

フォトグラファー / イラストレーター山咲めぐみさんが、raytrektabで描く世界

ーー自己紹介をお願いします。

フォトグラファー兼イラストレーターの山咲めぐみです。

ーーいつから、写真を始められたのでしょうか?

写真を始めたのは2014年からです。
はじめはiPhoneで撮り始めて、2015年からミラーレス一眼カメラに切り替えました。

ーー山咲さんにとって写真を撮るということは?

自分は「ちっちゃいもの」が好きなんだなぁって思うんです。
iPhoneで撮り始めた時から、「ちっちゃい可愛らしいもの」にとても心惹かれる自分がいたんです。
ある時、なぜこんなに心惹かれるんだろうと思って、iPhoneを近づけて拡大して見てみたんです。

そうしたら、普段は気がつかないけれど、拡大して見てみるとこんな素敵なものだったんだなと気がつくことがとてもたくさんあって。
水滴や、お花、木、草、普通に見えているものも、拡大して撮るようになってから、その「ちっちゃいもの」の秘密を見てみたいと探究心が湧いてきました。

私にとって、カメラは「ちっちゃいもの」と会話するツールなのかもしれません。

「ちっちゃいもの」が、何を隠しているのか、どこに心惹かれるのか教えてと思いながら、近づいて、いろいろな角度から撮っていくと
普段は見ることのできない、自然の魅力に出会えるのが楽しいです。

ーー幼い頃からからお絵かきが好きだった、とのことですがどんな絵を描かれていたのでしょうか?

幼い時はお絵描き教室に通っていて、主にクレヨンと水彩で描いていました。
中学校から美術部に入って油絵を描き始め、そのまま高校でも絵を描き続けていて、その後は姉の影響もあり、美術大学に進学しました。
学生時代は今のようなタッチの絵ではなくて、怖いと言われるくらい迫力重視の絵を描いていました。

ーーお姉様とは今も仲良しなんですか?

仲良しです。今も一緒に絵を描くこともあります。
大学を卒業後、絵を描くことからは離れていたんですが、2019年の年末、姉が「とても便利なものを見つけたよ!」と言って『ポータブル水彩絵の具』というのを私に持ってきてくれたんです。
水だけ用意して、パレットを開けばその場で水彩画が描ける、といったものだったのですが、面白いなと思って、ちょうどその頃、また絵を描きたいと思っていたので、絵を描き始めたんです。

ーーraytrekタブレットを使い始めたきっかけは?

描き始めて1ヵ⽉後くらいですかね、⽔彩画はずぼらな私には限界がある、と思い始めてしまったんです。
私はとにかく無計画に描くので、後から直したい箇所がたくさん出てくるのですが、⽔彩画というのは、途中で直す、というのが難しいんです。
絵を描くことに少し挫折しそうになっていました。

更にその頃Twitterなどでたくさんの⽅の絵を⾒てて、「世の中には上⼿な⽅がたくさんいるなぁ」と挫折に追い討ちをかけてました。
その中でとてもきれいな絵を描かれている⽅がいて「油絵のように⾒えるけれど、何か違う」と思ったらデジタルペイントだったんです。

油絵にしか見えないけれど、それよりも自由度が高いものを描いていらして「すごい!デジタルだとこんな絵が描けるんだ!」と感動して『デジタルペイント』に挑戦したいと思い始めました。
そこに、タイミングよく父が自分も絵を始めると言って「raytrektab」を持ってきたんです。
「これはチャンスだ!」と思い、父に頼んで貸してもらって試しに描いてみたらとても楽しくて。
そこから、raytrektabを使い始めました。

ーー幼い頃から紙と画材で描かれていた山咲さんにとって、「タブレットで描くこと」や「デジタルペイント」に違和感はなかったんでしょうか?

違和感はなかったです。私にとっては、違和感よりも衝撃の方が大きかったです。
現実には難しいような色の重ね方もこんなに簡単にできてしまうことにまずとても驚いて、ペンの種類だけでもこんなにたくさんあることに感動しました。
未だに使ったことのないタッチもありますので、まだまだ開発中です。
開発中ならではの悩みかもしれませんが、トライ&エラーで楽しみながら描いていっているのもあって、絵本を一冊描いている間で作風が1枚1枚違うということが起きてしまい、最後に合わせるのが少し大変だったりします。楽しいんですけどね!笑

ーー普段、どのような場所やタイミングでタブレットを使われるのでしょうか?

思考がぐるぐるしている時ではなかなか描けないので、落ち着いてお茶を入れて、描くぞ!とスイッチを入れて描き始めます。
基本的には自分の部屋で描くことが多いですが、長期で旅行に行く時は必ず持っていきますね。
インスピレーションを感じて「これ逃したくない!」という時にどこでも描けるようにしておきたいんです。
いろいろな画材を用意して絵を描いていた頃に比べると、これだけで良い、というのは本当に便利だなと思います。

インスピレーションを絵に起こした、というと例えばこれですかね。
これは吾亦紅(ワレモコウ)というお花なのですが、「和」なイメージが浮かんで、ここにお姫様を描いてみたくなって、この一枚ができました。

後は、自分の中のイメージを「今描いておかないとダメだ!」というときには、まずは写真もレイアウトしないで、スケッチのような感覚で描いています。

ーーraytrektabで制作を始められて、良かったと思うことはありますか?

大学で絵を描いていたときは、周りには上手な人がたくさんいましたし、インターネットを通してこの世の中に上手な人がたくさんいることを目の当たりにして、「私が絵を描いたところで、もっとすごい絵を描いている人は他にたくさんいるから」と描くことを少し諦めていたんですね。

でも、やっぱり私も何か表現をしたい、という思いは昔から心の奥底にあって、
描き始めてみたらそれまでは描けなかったような絵がこのタブレットで描ける。
例えばパステル画なんて全然描いたこともなかったのに、描いてみることができる。
やり直しもきくし、いろいろな絵をこのタブレットでこれから描いていけるというのが嬉しいです。

上手い、下手、じゃなくて、描いてみたいからまずは描いてみよう!と思わせてくれました。

最初、水彩で描き始めた時も、やっぱり私は絵が下手だなぁって思うことが多かったんです。
最初の線だけで「違う、こうじゃない」と失敗の方が多くて、なかなか1歩が踏み出せなかったんです。
でも、デジタルだったら、とりあえず描いてみて、消せるし、やり直せる。

絵を描くことへのハードルがぐっと下がりました。

あの時、タブレットに出会っていなかったら、この「ふたりのひとりたび」は生まれていなかったと思います。

ーー今回描かれた絵本「ふたりのひとりたび」では、写真とイラストを組み合わせて描かれていますが、このような作風で描こうと思われたきっかけは?

写真を撮っていて、マクロの世界を見ていると、自分がこの中に入ったらどんな世界が見えるんだろう、虫たちはどんな世界を見てるんだろう、と気になったんです。
朝露で覆われたたんぽぽの中に入るってどんな感じなんだろうとか、妖精や小人がいてもおかしくないな、って思うようになったんですよね。

実際には、妖精や小人が写真で撮れることはなくて「それなら、自分でこの写真の中に描いていってしまえばいいんだ!」と思ったのがきっかけですね。
描き始めてみたら、「自分がこうだったら楽しいと思う世界が、自分で作れること」に気がついて、どんどん描き進めていきました。

ーー今回の絵本に使われている写真を選んだ理由はなんでしょうか?

特にこの絵本の写真は、インスピレーションが湧きやすい写真を使っています。
私がこの写真の中にいたらどんな風景が見えているのか、写真の中に入りたいと思える、そんな写真を選んでいます。

ストーリーの初めの方、キツネが一人でいるシーンは、割と暗い色の写真が多いんですよね。
彼は、「人生は、厳しく、ワイルドで、大変なんだ。一人で強く生きていくぞ」という思いがあるので、そんな厳しく、ワイルドな雰囲気の写真を選んでいます。
トリが登場してからは、物語にも光や虹色のシーンが増えていくので、鮮やかな写真を選んで表現しています。

ーー撮影地はどのあたりなんでしょうか?

山梨の樹海や、林、大きな公園など、自然の多い場所です。

ーーイラスト部分でのこだわりはありますか?

2匹の表情ですかね。
キツネは、最初は厳しい、決意の表情なんですが、トリの登場によってだんだん緩んできてしまう。
頬に赤みがさしてきて、上気している感じや、隠しきれない嬉しさのようなものをかけたらいいなと。

トリの表情は描くのが割と難しくて、最初は無表情だったんです。
でも、トリももっと自由に書こうと思い直して、最後、トリが仰向けに寝ているシーンがあって、現実にはありえないと思うんですが、このトリはリラックスしてる時だったらどうなんだろうといろいろ想像して、仰向けに寝ることに落ち着きました。

キツネとトリの表情は、特に思い入れが強いですね。

ーーこのストーリーの発想はどこからきたんでしょうか?

きれいなマクロの世界に入って、冒険してみたい、という願いが発想のきっかけです。
なので、主人公たちがマクロの世界を旅するお話にしました。
主人公がキツネなのは、様々な動物を描いて見た中で、一番心がウキウキしたんですよね。
なぜウキウキしたかを今考えると、もしかしたら主人の顔がキツネ顔だからかもしれません…笑
この主人公の通り、主人は無愛想でいわゆる「ツンデレ」なので言葉も少ない人ですが、とても優しいんです。
キャラクターの発想の元になっているのかもしれません。

ーーそれならば、鳥は山咲さんということになるのでは?

必然的にそうなりますね…笑

ーーお話を聞いていたら、だんだんラブストーリーに思えてきました。

そうですね・・・実はラブストーリーなのかもしれません。

ーーご主人はご覧になられたんでしょうか?

はい、見てくれました。
やはり言葉が少ない人なので、「いいじゃない」くらいで感想は終わりでしたが、絵本ができ上がってきた時は密かに会社に飾って、密かにアピールしてくれていたみたいです。

そのことを後から知って「そんなことをしてくれていたんだ!」と、私の活動を応援してくれているのを感じて、とても嬉しかったです。

ーー次に描きたいものはありますか?

はい、あります。
今思い描いているのは、富士山の上空にずっと吹いている風が天女をイメージさせるので、その姿を描けたらいいなと思っています。
すでに何枚か描いているのですけど、画力が足りなくて…思うように描けないのがもどかしいんです。
頭の中にあるイメージを、絵に描くのが難しいですね。

そのまま頭から出せたらいいのにって思います。

ーー最後に、制作活動の中でもっとこうなったらいいなと思うことはありますか?

こうなったら面白いなと思うことは、いずれテクノロジーが進化して、タブレットに自分の声を聞かせて、
例えば高い声だったら明るめの色で繊細なタッチで、低い声だったら濃い色で力強い感じのタッチで、というように、自分の声の音色で絵を描くなんていうことができたらいいなと思います。

*******************************************

絵本「ふたりのひとりたび」の詳細はこちら
https://miraipub.jp/books/8768/

*******************************************

(2021年4月時)