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フォトグラファー櫻子さんが「raytrek XV」で描き出す、
多重露光の世界観

フォトグラファー | 櫻子さん

  • #写真

「多重露光」を使った写真表現を得意とするフォトグラファー、櫻子さん。複数枚の写真を重ねてつくり出す、独自の世界観が支持されています。

「青」や「花」のモチーフをベースに、時にはPhotoshopで15枚以上レイヤーを重ねている彼女の写真は、まさに「作品」。日常的にさまざまな重ね方を試したり、写真以外にもさまざまなジャンルからインプットしたりしながら、世界観づくりに反映させているといいます。

眩くも凛々しく咲いた桜に、水族館で撮った魚の写真を重ね、儚いイメージを表現した1枚。

作品に画像編集が欠かせない櫻子さんに、今回はクリエイターの制作をパワフルに支えるパソコン「raytrek XV(レイトレック エックスブイ)」を使っていただきました。作品づくりにおけるこだわりと、こだわりを実現する上で欠かせない制作環境について伺いました。

電車の中で写真の加工にのめり込んでいた学生時代

自己紹介をお願いします。

フォトグラファーの櫻子です。会社員をしながら、写真を撮って作品づくりをしています。

いつから写真を始められたのでしょうか?

大学生の頃から写真を撮り始めました。趣味で友だちを撮ることから始めて、Photoshopで加工して作品をつくることに魅せられたことがきっかけです。今年で、写真を始めてから4年目くらいですね。ずっと独学で続けています。

Photoshopで写真を加工するようになったきっかけを教えてください。

親戚が写真に関わる仕事をしていて、カメラを譲ってもらったり、Photoshopを教えてもらったりしたことがきっかけです。その影響を受けて、中学生の頃から趣味でPhotoshopを使うようになりました。高校時代は、画像を切り取って加工して、文化祭で使うフライヤーを作っていましたね。

櫻子さんといえば多重露光のイメージですが、多重露光はいつから始めたのでしょうか?

大学生の頃、写真を編集できるアプリ「PicsArt」を使い込むようになりました。PicsArtには無料で使える写真素材があって、その画像を使って写真を編集し、自分の表現をつくり出す「リミックス」のような文化が海外にある、と知ったんです。それで私も画像を重ねてみようと思い、撮った写真を加工するうちに、のめり込んでいきました。大学に通う電車の中で、ずっと画像編集をしていたくらいです(笑)。

でも、そのときは多重露光というとフィルムカメラで撮るものだと思っていたので、自分が多重露光をしている自覚はなくて。後から「あ、これは多重露光なんだな」と知りました。

日常的なインプットで広がっていく、表現のインスピレーション

櫻子さんの写真表現には、独特の世界観がありますよね。どんなイメージで作品をつくりあげているのでしょうか?

1枚1枚、世界観をしっかり描きながら作品づくりをしたいと考えています。私の場合、作品っていきなり完成させられるわけじゃなくて、普段からインプットしたり、思い立ったら写真の重ね方を試してみたりして、発想力を鍛えていく積み重ねによって出来上がるんです。

私はイラストが好きで、絵本や小説からインスピレーションをもらうことも多くあります。映画でいうと、新海誠さんの作品が好きです。SFチックな設定の世界観に惹かれますし、光の描き方や抑揚に心が揺さぶられます。

櫻子さんといえば「青」や「花」のイメージがあったのですが、SFもお好きなのですね。

はい、宇宙も好きなテーマのひとつです。最近だと、人のシルエットにロケットを載せてみました。人の中に空を描いたり、天体を組み合わせたりして、人のシルエットに写真を重ねる表現が好きですね。多重露光の場合は人を目立たせるというよりも、作品の中の登場人物のような捉え方をしています。

頭の中を思い通りに実現できる、安心の制作環境がモチベーションに

趣味だった画像編集が仕事にもなった今は、どのような環境で制作しているのでしょうか?

普段は家のリビングで、ノートパソコンを使って制作しています。細かく加工したいときはPhotoshopをパソコンで使い、気軽に実験したいときはスマホを使うことが多いです。細部をどれくらいこだわりたいかどうかで、使い分けていますね。

あとは、パソコンのモニターで見た色とスマホで見た色は違って見えるので、パソコンでレタッチした写真をスマホに送って、見え方のテストをしています。スマホで色味や雰囲気を確認しながら、パソコンでレタッチすることが多いです。

1作品のレタッチにかける時間としては、平均でどのくらいでしょうか?

フィルターを使わないなら、1枚あたり10〜20分ほどです。フィルターを適用させる場合はそこから色味を調節するので、加えて5分かかります。

1日の撮影で、多い場合は厳選しても500枚ほどになるので、全てのレタッチが完了するのに2時間半〜3時間ほどかけます。Photoshopを使った多重露光の作品は、1作品で20分くらいです。

かなり速いですね。普段仕事をしているときに、マシンについて気になることはありますか?

スピードと音と熱さです。私にとって、編集するときや画像を移動させるときのスピードがすごく重要なんですよ。画像編集ではパソコンにたくさん画像を取り込みますし、Photoshopで何枚もレイヤーを重ねるので、どうしてもパソコンに負荷がかかります。

そのせいで読み込みのスピードが遅くなったり、ファンの音がすごく大きくなってパソコンが熱くなったりすると、「負荷をかけてごめんね……」とパソコンに対して申し訳ない気持ちになっていました。

今回は画像編集にraytrekを使っていただきました。使ってみていかがでしたか?

とにかく処理速度が速かったです。3,000枚くらいのRAWデータをパソコン本体に取り込んでも動きが遅くならなかったですし、Photoshopのレイヤーを重ねていくごとに作業が遅くなるのがストレスだったのですが、raytrekは作業が全然遅くなりませんでした。この写真は15枚くらいはレイヤーを重ねましたが、動作が止まってしまうことがなくて、いつもより作業時間が短く済みましたね。

多重露光編集を活用し生み出された作品。
女性と花の主題が綺麗に共存する、緻密なレイヤー処理を施している。

それに、Lightroom Classicのカラーグレーディングがすごく滑らかに動いて、細かいところまで調整できるので、いつもよりずっと丁寧に編集できたように思います。この写真は、Photoshopで編集し始めてから5分で完成させることができましたが、スピードだけでなくクオリティにも満足です。特に色のバランスが上手く行ったと思っています。

同じく多重露光編集で作成。
色味もさることながら感光箇所や人物の位置など、構図バランスも気持ちのいい作品。

櫻子さんのスピードにも驚かされますが、raytrekの性能の高さを実感していただけて嬉しいです。機能だけでなく、作業しているときの気持ちの変化はありましたか?

画像編集をしていても、ファンの音が小さいですし本体が熱くならなかったので、安心できました。ソフトの起動も速く、編集するときにサクサク動くので、ノンストレスですね。やっぱり写真編集にはメモリが重要なんだな、と感じました。

それに、raytrekの付属品として貸していただいたマウスのクリック感やキーボードの深さが、作業していると心地良くてわくわくしました。どっしりと構えてくれていて、クオリティーを上げていく旅の相棒のようなマシンがあると、モチベーションにつながるんだなと実感しましたね。

作業環境が、作品づくりに影響するんですね。

普段はノートパソコンをメインで使っていたのですが、今回raytrekのデスクトップを使わせていただいて、自宅に1台、デスクトップが欲しいなと思うようになりました。クリエイターにとってのアトリエは、デスクトップのある環境だと思うんです。

クオリティーを上げたい、とか、こんな作品をつくってみたい、というクリエイターの熱量を受け止めてくれる、拠り所になる作業環境が欲しいなと思いました。表現においては、1作品にかける情熱が強くなればなるほど、PCへかける時間や労力のコストは必然的に大きくかかります。

作品をつくるときに、環境面でストレスフリーであるほうが嬉しいですね。raytrekは、そんな作品づくりへの情熱に十分応えてくれるパソコンだと思います。

櫻子さんのお話から、ひとつの作品にかける思いが強く伝わってきました。

私は大学の頃にメディアアートを専攻していて、美術館に行くことが大好きになりました。今でもアートが好きで、写真も私にとってアートの一部なんです。

多重露光の教室で生徒さんに教えていると、私の想像の域を超えてきて、その可能性は無限大だなと実感します。これからもアート活動を続けていきたいので、写真を撮ったり多重露光で自分の世界観を表現したりするのはもちろん、アーティストさんとコラボした作品づくりにチャレンジしていきたいです。

機材詳細

モデル:raytrek XV(レイトレック・エックスブイ/デスクトップ/一部カスタマイズ)

OS:Windows 10 Home 64ビット

CPU:Intel Core i7-11700K

メモリ:32GB※

グラフィックボード:NVIDIA GeForce RTX3060 12GB

ストレージ:512GB

※メモリ16GB→32GBへカスタム

代表的な構成の一例です。当ページの掲載内容は、在庫等の都合により予告なく変更、または終了となる場合があります。

櫻子さんPROFILE

埼玉県本庄市出身のフォトグラファー。学生時代から本格的に写真を撮り始め、2018年には素敵な青写真をフィーチャーする「Today’s Blue Collection」を立ち上げた。自身も青を基調としたギャラリーで、多重露光写真をはじめポートレートや風景など幅広い作品づくりを行う。画像編集ソフトの機能を使いこなし、美しくも儚い世界観を表現するのを得意分野としており、写真教室の開催なども行っている。最近は、大好きな埼玉の魅力を発信するべく「埼玉お出かけメディアShiki-Sai編集部」のメンバーとしても活動中。