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raytrekアンバサダー賞受賞 角野 正樹 インタビュー

raytrekアンバサダー賞受賞

角野 正樹 インタビュー

  • #写真

raytrek(レイトレック)は、東京カメラ部のサポートのもと、raytrekアンバサダーの井上浩輝さんと別所隆弘さんの監修モデルのPCを追加発売。それを記念して、「PCの壁紙にしたいレタッチ写真」をテーマとしたフォトコンテストを2021年8月5日〜9月30日に開催し、「raytrekアンバサダー賞」「井上浩輝賞」「別所隆弘賞」を選出しました。「raytrekアンバサダー賞」を受賞されたの角野正樹さんの「空は広く、大地はつづく」。写真に対する取り組み、受賞作の撮影・レタッチについてなどをお聞きしました。

写真をはじめた時期を教えてください。

7〜8年前ですね。当時はブロガーのような活動をしていまして、記録写真などを撮っていましたが、本格的に作品を撮ってはいませんでした。しかし、CP +で鉄道写真家の中井精也さんのトークショーを聞き、自分もはじめてみようと思い立ち、鉄道写真を撮るようになったんです。やがて並行して風景を撮るようになっていき、北海道で開催されたソニー主催のイベントで、井上浩輝さんに写真を教えていただく機会があり、動物も撮るようになっていったという流れです。今は動物写真、中でも日本各地の動物園でサーバル、トラ、チーターなどのネコ科の写真を撮ることが多く、動物園と交渉して商業写真撮影許可を取得し、相棒と一緒に制作した写真集を動物園の売店で販売していただくことがライフワークとなっています。

動物を撮る際に気をつけている点は?

動物の赤ちゃんの愛らしい表情などのような、誰が見てもかわいいという写真ではなく、何気なくても、いい表情だな、と思えるような瞬間を切り取っていきたいです。僕の動物写真は表情が豊かなことが個性だと思っています。動物園の動物は、みんな同じ顔をしていると思われがちですが、実はきちんと特徴があるんです。性格もいろいろですしね。特にネコ科のサーバルはすごく表情豊か。ペットみたいに懐いてきたりする子もいて。コロナ禍でしばらく動物園に足を運べなかった時期がありましたが、久しぶりに訪れてもサーバルが覚えていてくれたときは嬉しかったですね。

レタッチのPC環境を教えてください。

Adobe Photoshop Lightroom Classic(以下、Lightroom Classic)と、Adobe Photoshop Lightroom (以下、Adobe Lightroom)の両方を使っています。WebやSNSに簡単にアップしたいときはiPad上でLightroomを使いサクッと現像しますし、作品として仕上げるときはLightroom Classicに持っていって仕上げます。PCはMacBookもWindowsも両方使っていますね。昔から秋葉原にいくのが好きで、よくPC系のショップを回っていまして、Windowsは自分で作ったりしています。現像をするようになってからは、カラーマネジメントされたモニターのBenQ SW271Cと、GeForceのグラフィックボードを導入しました。

レタッチをするようになったきっかけは?

5年くらい前に、風景や動物も撮るようになったときです。JPEG撮って出しでは伝えたいことが伝えられないと気付いたとき、RAWからレタッチした方がいいなと思い至りました。中井さんや井上さんなどは撮って出しの時点で素晴らしいですが、僕はそこまで至っていないので、レタッチにしっかりと取り組んで仕上げないといけないなと。

レタッチで特に気をつけて調整する点はどこでしょう。

写真によって違いますね。動物をシルエットで見せたいときは動物の表情を黒く潰すこともありますし、逆に表情を中心に見せたいときは、顔を明るくするときもあります。ただ、できる限りで自然な仕上がりになるようにはしていますね。意図を反映させるためのレタッチもあれば、動物の撮影って咄嗟に撮ることが多く、カメラの設定をいじるよりも、とにかくシャッターを切るということも多いので、レタッチで整えるという側面もあります。一回の撮影で多いときは1万枚、少なくても2〜3,000枚は撮影するので、もちろん全てをレタッチするわけではありません。SNSでは写真から連想できるコメントと共にアップすることが多いので、台詞が思い浮かんだものを優先的にレタッチしています。

受賞作「空は広く、大地はつづく」についてお伺いします。撮影場所や状況などを教えてください。

ケニアのマサイマラで撮影しました。車で移動中に偶然見つけた3頭のキリンで、まさにこのときは走る車から、とにかくシャッターを切ったという感じでしたね。撮影した時間はお昼。ライオンやハイエナが寝ているまったりした時間帯でした。走っている車から連写で撮っていて、失敗しないようにアンダー露出にしていてRAWデータはかなり暗めでしたが、空の色と地面の緑を美しく出し、白いラインの中でキリンが浮き上がるように、コントラストや毛並みのシャープネスを調整しています。

raytrekの「壁紙にしたい写真コンテスト」を知ったきっかけは?

おそらく東京カメラ部のホームページだと思います。あまりフォトコンに応募した経験はありませんでしたが、壁紙がテーマということだったのでチャレンジしてみました。応募動機の大部分を占めていたのはテーマです。テーマに対して、納得いく写真を持っていたら応募するというタイプですね。

応募作品はすぐ決まりましたか?

自分のWindowsのデスクトップに表示してみて選びました。デスクトップは16:9の比率なので、もっとも気持ちよく見える位置でトリミングしています。実際にアイコンを置いてみて、どのように見えるかも確認した上で応募しています。わたしはWindows XP世代なので、壁紙は青い空に草原というイメージがありましたね。

受賞されたときの心境は?

最初は「raytrekアンバサダー賞」と聞いていなかったので驚きました。しかも、満場一致だったと。壁紙というテーマに則した一枚を選んだのが正解だったのかなと思います。

raytrekのPCに対するイメージはいかがでしょう。

昔から秋葉原に行くのが好きで、よくPC関連のショップを回り、パーツを購入してWindowsマシンを自作していました。ですから、もちろんraytrekのことはよく存じていますし、ドスパラで販売されているCPUやグラフィックボードを自作PCに組み込んで使っています。ただ、raytrek PCの完成品はまだ使ったことがないんですね。井上さんと別所さんが監修された、写真編集に最適化されたモデルも発売されていますが、CPU、グラフィックス、メモリなどの主要スペックも高水準でありながらも買いやすく、PCの知識がある身から見ても、とてもコストパフォーマンスに優れているという印象です。

PCを使ってレタッチするメリットはどこにあると考えますか?

記憶容量をまるで無限のように増やせるという点だと思います。手持ちのタブレットだと1TBという制限がありますが、PCの場合は写真を保存できる枚数が大幅に増えますよね。いまはNASを組んでいて、8TBを4台稼働させています。今年に入ってからすでに7TBは使っていますから、また増強していかないといけませんね。

カメラは何をお使いでしょう。

SONY のα1とα7S IIIです。動物園で撮るときにいちばん意識するのが檻を抜くこと、つまり前ボケさせて写真に写さないようにすることです。このような撮影には明るいレンズの方が有利になりますので、FE 135mm F1.8 GMをメインで使っています。もっと望遠が必要になるときはありますが、α1ならばトリミングしても耐えられる画素数。クロップモードに切り替えてAPS-Cサイズの200mm相当にして撮ることも多いです。ガラスの反射をいかに抑えるかも気を使っています。これはよしみカメラ社の忍者レフがもっとも効果的ですね。

サブ機がα7SIIIの理由は?

動物園は意外と暗い場所が多いので、高画素が使えるカメラと明るいレンズの組み合わせも必需品だと思います。特に冬はすぐに暗くなりますし、時間帯によってα1とα7SIIIを使いわけますね。

受賞後の周囲の反応はいかがでしたか?

僕はTwitterをメインに活動していますが、とても多くのいいねをいただきまして、頑張ってアフリカまで行った甲斐があったな、と感じています。写真集もTwitterのフォロワーさんが買ってくださることが多く、今後も動物園での撮影、写真集制作、Twitterでの発信などを続けていきたいと思っています。また相棒は水族館が好きなので、動物園に加えて水族館での撮影も計画しています。水族館の写真集などもいつか手掛けられればうれしいですね。

今回はありがとうございました。改めて「raytrekアンバサダー賞」受賞おめでとうございます!

※Adobe、PhotoshopならびにLightroomはAdobe Systems Incorporated(アドビシステムズ社)の米国ならびにその他の国における登録商標または商標です。

角野 正樹さんPROFILE

サーバルやアムールトラ、チーター、キツネなどの動物写真を日本各地の動物園で撮りまわり、動物園の許可を得て写真集を制作しています。写真集はBOOTHなどのネット通販だけでなく、千葉市動物公園、とべ動物園、豊橋動植物公園のんほいパーク、浜松市動物園、福山市立動物園の売店で好評発売中!
コロナ禍直前にアフリカのマサイマラ国立保護区へ旅立ち、本物の野生動物の撮影に取り組みました。またアフリカへ行きたいです…。

角野 正樹さん

著書紹介