1. HOME
  2. 写真&動画
  3. Voices
  4. ビデオグラファー畠山佑輝 さんが「raytrek ZG」で作り上げる、シックで繊細な色彩の映像表現

ビデオグラファー畠山佑輝 さんが「raytrek ZG」で作り上げる、シックで繊細な色彩の映像表現

ビデオグラファー・フォトグラファー | 畠山佑輝さん

  • #写真

ファッション業界出身のビデオグラファー・フォトグラファー畠山佑輝さん。撮影からディレクションまで手がけるほか、アパレル業界で鍛えられた色彩感覚を活かして、カラリストとしても活躍中。そのセンスと確かな技術力によって生み出される作品からは、独特の世界観が伝わってきます。

畠山氏の写真作品のコラージュ。
ただ綺麗に映すだけでなく、手ブレなどの技法も使った自由で感覚的な作品も多い。
山田晋也氏「胎内衆会 ― ぼくらは何処にかえるのだろう」

今回は、そんな畠山さんにクリエイターの可能性を広げる「raytrek ZG(レイトレック・ゼットジー)」で映像編集をしていただきました。作品へのこだわりと、それを実現するための製作環境について伺いました。

言葉のかわりに、写真と映像で表現していきたい

ビデオグラファーとしてご活躍中ですが、この世界に入ったきっかけを教えてください。

実は最初は写真が入り口でした。大阪のアパレル会社で企画から販売まで担当していましたが、その頃から趣味で写真を始めました。自分自身で何かを表現したいという想いはずっとあったのですが、言葉で表現するのがあまり得意ではないので、カメラを手に取ったのがきっかけです。

その後だんだんとカメラの魅力にハマり、カメラで仕事をしていきたいと考え独立しました。せっかく独立を決心したので、独立後は稼ぎがなくても1年間バイトもせず、貯金を切り崩しながら写真の仕事に集中しました。

そこからどのように映像のお仕事へシフトして行ったのでしょうか。

写真の仕事をしながら旅先などでVlogを撮り始めたら、動画制作に興味が湧いてきました。写真と違って動きがあり、それを自分の持つイメージに近づけていけるところが面白いなと感じました。

撮影を重ねるうちに、色味などを考えた綺麗な映像を撮りたくなって、映像用のカメラを買って勉強を始めました。それがビデオグラファーの仕事につながっています。

独立直後は、仕事に繋がるような人脈はすでにあったのでしょうか。

フォトグラファーとして独立した直後は、人脈が全くありませんでした。SNSなどの発信で徐々に人脈が広がりお仕事に繋がるようになりました。現在はSNSやホームページから連絡をいただくこともあります。

あとは自分の作風を魅せる作品撮りや、それらを公開していくことは重要だと思っているので、しっかりやるようにしています。

発信の積み重ねが大切なんですね。現在はどのようなお仕事が多いのでしょうか。

現在は企業広告の映像を担当したり、これまでにお世話になったクライアントさまや広告代理店を通じて様々なプロジェクトに参加するほか、フォトグラファーとしてファッション関係の撮影や広告写真も撮っています。

最近は、企業広告や生配信のイベントなどで、撮影だけでなくディレクションをすることも多くなりました。

たくさんの人の想いや熱意を込めた、映像作品づくり

スチール撮影から映像制作まで幅広くお仕事されていますが、今後どういった方向に進むのでしょうか?

写真と映像、どちらもやっていきたいのですが、今は映像を中心にしていこうかと考えています。映像クリエイターとしての経験を積んで、最終的には個人での制作ではなく、チームで作品を作るディレクションをしていきたいと思っています。

たくさんのクリエイターが携わるということは、それだけ多くの人の熱意が込められているということです。そういった現場で人との繋がりを大切にしながら制作指揮をとって、見る人の心に響くものを作りたいという想いがあります。

そのために、これからもCMなど大きなプロジェクトに関わっていきたいですし、映像クリエイターとしてのセルフブランディングも考え始めています。

ディレクターとして、映像を通して表現していきたいことはありますか?

以前、能舞台の映像制作で、演者の方のインタビューを撮る機会があった際に、能楽師としての作品に対する熱意や繊細さ、その方がお話されている時の空気感に圧倒されたことがあります。本気で演じているからこそ、伝わってくるものがあるのだと感じました。僕も作品を通して熱意が伝わったり、人の心が動くものを作っていければと思います。

ノイズリダクションなど高負荷な作業にも耐えうるマシン

普段はどのような環境で制作されているのでしょうか。

自宅の作業場で、数年前に購入したデスクトップパソコンで作業をしています。作業中は、自分のモニターに映像用のモニターを繋いで色味の調整をしますが、もう1台タイムラインを表示するワイドモニターを使う時もあります。

編集にはどれくらいの時間をかけていますか。

クライアントワークで1分程の長さの映像を作る場合、1か月以上はかけていると思います。特に音源が決まっていなかったりすると、音源探しに時間がかかることが多いです。一方で、自分の作品を編集する際は、ディレクションや絵コンテもなく直感で作業するため数時間で仕上がることもあります。

制作には、何のソフトを使っているのでしょうか?

普段はAdobeのPremiere ProやAfter Effects、DaVinci Resolveを用途によって使い分けています。たとえば広告関係や3Dの素材を扱う場合は、After Effectsをメインで使いますし、クライアントワークでより繊細な映像を作る時は、カラーグレーディングなどが行いやすいDaVinci Resolveを使います。

実は、DaVinci Resolveは写真編集に使うこともあるんです。

どうして映像編集ソフトで写真を編集を?

写真の編集作業はLightroomやPhotoshopの方が一般的にやりやすいと思います。ですが、自分は映像の色調整に一番時間をかけるくらい色彩表現にこだわりがあることと、DaVinci Resolveでの作業や映像での色調整の考えかたに慣れているので、写真編集もこちらでやってしまうこともあります。

色の表現は、畠山さんの制作の中でとても重要な要素なのですね。

そうですね。僕は自分の制作物だけでなく、カラリストとして映像のルック(見た目や雰囲気など)を作る仕事もしています。カラリストとして制作に参加する際は、作品をどういうトーンで落とし込むかを考えて、色味を調整することで最終的な映像全体の雰囲気を決めます。

複数モニターで映像制作されるとPCへの負荷が高いと思うのですが、スムーズに動作しますか?

ソフトや素材によりますがプレビューがカクカクしたり、フレームレート(※)が高い素材を扱う時は動きは遅くなったります。そういう時にはデータの軽いプロキシファイルを作って作業して、終わったら元のデータに戻すという作業をしていました。

でも、raytrekのパソコンでやってみたら全体的に動きはスムーズだし、プロキシを作らなくても作業ができたので、とても楽でした。撮影にはBlackmagic Designの6KカメラやSonyのα7S IIIなど、フレームレートの高い素材収録ができるカメラを使っていますが、それでも快適に動いたので良かったです。

  • フレームレート:1秒間に画像を流す枚数のこと。画像の枚数が多いほど滑らかに動きますが、パソコンへの負荷が大きくなる。

プロキシファイルで解像度を落とさずに作業できることで、これまでと比べて変わったことはありますか?

そのままの解像度で見たい時にも快適に動いてくれるので、作業効率が上がりました。クライアントワークだと納品までの時間が限られているので、より短い時間で編集ができるのはいいなと思います。

ちなみに今回編集してみたこの映像は、レイヤーも結構重ねてraytrekに負荷をかけたと思うのですが、スムーズに動いてくれて助かりました。

作って頂いた映像、取材陣の中でもかっこいいと話題になっていました。作品のテーマなどはあるのでしょうか?

テーマは自分の強みでもある「色」です。スチールで普段撮っているファッション系の雰囲気に寄せてみました。

この作品は元々ある素材に加えて、新たに追加撮影をして作成しました。夜の映像を撮影したのは、ノイズリダクションをかけた際にどれくらい重くなるのか試したかったからというのもあります。自分のパソコンでは止まってしまうこともある作業ですが、raytrekでは問題なく動きました。

ありがとうございます。最後に映像制作をしていて今パソコンの購入を考えている方にアドバイスをお願いできますか。

今回raytrekを使ってみて、BTOパソコンは自分の用途に合わせたちょうどいいマシンを、購入しやすい値段で販売され、更にカスタマイズもできるのが魅力的だと感じました。メモリも後から増設できるとのことなので、用途に合わせてカスタマイズしていけばPCをアップデートするたびに自分の成長を感じられそうです。

機材詳細

モデル:raytrek ZG(レイトレック・ゼットジー/デスクトップ)

OS:Windows 10 Pro 64ビット

CPU:Intel Core i9-10850K

メモリ:64GB※

グラフィックボード:NVIDIA GeForce RTX3080 10GB

ストレージ:2TB

※メモリ32GB→64GBへカスタム

代表的な構成の一例です。当ページの掲載内容は、在庫等の都合により予告なく変更、または終了となる場合があります。

畠山佑輝さんPROFILE

ファッション業界を経てビデオグラファー・フォトグラファーに転身。特に映像作品では、自身でディレクションから編集まで一貫して行えることを強みとしている。ファッションのスチール撮影や、企業広告を中心としたドキュメンタリー、プロモーション映像まで幅広い分野で活躍している。前職であるファッション業界で培った色彩感覚を活かして、現在はカラリストの仕事も請け負っている。