最優秀賞 リュウ インタビュー

最優秀賞

リュウさん インタビュー

  • #写真

写真を撮りはじめたきっかけを教えてください。

娘がスノーボードをやっており、動画の撮影と編集はやっていたのですが、熊本県の菊池渓谷を訪れたとき、美しい景色を写真に撮るということの楽しさを知りました。それからは、旅行に行けば写真を撮るというスタイルから、撮ることを目的に出掛けるというスタイルに変わりました。

使用機材は?

SONYのフルサイズミラーレスに変え、いまはα1とFE 24-70mm F2.8 GM IIの組み合わせをメイン機材にしています。

レタッチを重要視しはじめたタイミングは?

重要視しはじめた時期というより、4年前に写真を撮りはじめたときからAdobe Photoshop Lightroomでレタッチを行っています。デジタルカメラは基本的にレタッチをするものだという認識が最初からありました。レタッチに使用しているPCは動画編集もやりますので、メモリ64GBのデスクトップPCを使っています。

1枚に費やすレタッチ時間はどれくらいでしょうか?

自分のプリセットを作っており、イメージに合うものにはそれを適用してあとは露出補正するくらいです。プリセットは3〜4つくらい用意しています。緑の色にこだわっていて、緑を出せるのもの、花にマッチするものを主に使っています。緑の表現は自分自身のこだわりのひとつで、アンダー気味で黄緑というより深緑になるようにしています。Instagramにアップして「らしいね」という評価をいただくのは、緑がたくさん写っている写真ですね。プリセットを適用しない場合は、いちから自分でレタッチしています。わたしは明るい写真が苦手で、もともと曇りや雨の写真が多いので、少し暗めに撮っている写真を持ち上げて微調整をします。常に彩度は抑えめですね。

よく撮る被写体は?

とにかく光芒が大好きです。このあとお話する菊池渓谷の光芒が目に焼き付いており、近所でも光芒が撮れるところに出向いては撮影しています。光芒がある風景は非日常的ですよね。菊池渓谷は奥の方から朝日が入ってくるのですが、その瞬間は言葉に表せない感動があります。

「れたっち!レタッチ!retouch!レイトレックフォトコンテスト」はどこで知りましたか?

Instagramで告知を見て知ったと思います。実はフォトコンテストに応募するのは2回目です。普段はフォトコンテストに興味がないのですが、今回は東京カメラ部が運営しているということで、特別な思いがあり応募しました。やはり東京カメラ部は憧れのひとつです。周囲にも作品を取り上げられた方がいますし、素晴らしい写真家もこれまでに選ばれているので、その一員になりたいという気持ちがありました。ですから、InstagramのDMに東京カメラ部のアイコンからのメッセージが届いているのを見たときは、鳥肌が立ちました。もっとも感動した瞬間ですね。

最優秀賞受賞作品 作品タイトル 月夜

最優秀賞に選ばれた「月夜」について解説をお願いします。

5枚ほど応募をしていて、自分としては「月夜」が選ばれるとは思っていなかったです。3年前の年末、家から車で1時間ほどの場所にあるバス釣りで有名な千丈寺湖で撮影しました。冬になると毛嵐が出ることでも知られており、この日は朝早く起きることができたので、行く予定ではなかったのですが足を運んでみました。道中、良いモヤが出ていて予感はありましたが、到着してみたら素晴らしい毛嵐が出ていました。朝の写真ですが。色温度を下げて仕上げています。他にも、太陽の輪郭をもやっとさせるためにマスクを使って明瞭度を下げました。木のディテールは元データの段階で出ていたので、特別にレタッチで触ることはありませんでしたね。

作例1

受賞作以外の作品も数枚ご紹介させていただきたいです。

作例1は、京都で有名な雲海のスポットで撮影しました。雲海は出過ぎるとダメで、かすみ状態のところに斜が出るのです。そのような状態を狙っていったのですが、雲海が出過ぎで撮影を断念しました。その帰りの道、たまたま斜が出ている場所を通りかかり、車を止めて撮影した1枚です。できるだけ斜を自然な色にしました。いつもは色温度を上げるのですが、今回は色温度を上げずに見たままの光芒に近づけるよう色味を調整しました。地面の緑に光が当たって、奥と手前で色が変わっているんです。その緑を意識してレタッチしています。

作例2

続いての作例2の作品です。こちらが菊池渓谷でしょうか?

はい、去年の菊池渓谷です。4日間滞在したのですが、最終日まで天気が悪く撮れなかったのです。最終日に福岡に移動して違うスポットで撮影する予定だったのですが、天気が良くなるだろうということで、福岡から熊本に戻ってまで撮影しました。人気のある場所なので場所取りが大変でしたが、3〜4番目に取ることができました。長靴を履いて川の中に入っています。熊本に通うようになったことで写真友だちも増え、そういう意味からも特別な写真です。レタッチは自身で作成したプリセットを使っており、好みの緑色になっていると思います。

作例3

最後の作例です。

先ほど、京都で断念したという雲海スポットで撮影しています。自宅から2時間くらいのところですが、これを撮るために年に4〜5回通っていて、やっと撮れた1枚です。こちらも有名なスポットで、場所取りも大変です。木々に斜がかかっていると思いますが、雲海が出過ぎるとこれが出ないのです。プリセットは使っておらず、明瞭度の調整などを中心におこない、何枚か仕上げた中で 、自分でしっくりきた1枚です。光芒と斜のバランスですね。

レタッチは作品づくりの中で重要でしょうか?

写真はレタッチを施して完成するものだと思っています。それに注力できるパソコンの性能も大切だと思います。

今後の目標について教えてください。

基本的にどんなものでも撮りたいなと思うタイプです。関西在住ですので、京都のお寺も撮りますし、風景も撮ります。とにかく、さまざまな美しいものを見て回りたいと思っています。写真をやっていると、これまでに目にしなかった景色を見ることで人生が豊かになりますし、友だちも増えます。最近も、佐賀県のバルーンフェスに行きましたが、現地で友だちと一緒に撮影したり、関西から来ている30代の方々とも仲良くなり、京都での撮影に誘われたり。本当にカメラをやっていて良かったと思います。毎日がとても楽しいです。

どうもありがとうございました。
改めまして、受賞おめでとうございます!

※Adobe、PhotoshopならびにLightroomはAdobe Systems Incorporated(アドビシステムズ社)の米国ならびにその他の国における登録商標または商標です。

リュウさんPROFILE

主に近畿圏で週末に写真撮影を楽しんでいますが、撮影のために遠方に遠征する事も多くなりました。以前までは旅の記録に写真を撮っていましたが、今では旅の目的は写真を撮ることになってしまいました。また、夜景や天の川撮影にも興味はありますが、写真と同じくらいお酒が好きなため撮影は少なめです。

リュウさん